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嵐の夜のサウナ

 2005年の夏,私たち一家は沖縄への家族旅行に行ってきた。以前から計画を立て,楽しみにしていた旅行だったのだが,あいにく大型の台風9号が高気圧に押さえつけられて速度を弱め,滞在した島の付近でどっかりと居座ってしまい,私たちはホテルに缶詰状態になってしまった。
 沖縄の台風はやはり内地のものとは違い雨も風も強烈で,私たち一家は窓の外を眺めて唖然とするばかりだった。
 暇をもてあました私は,サウナにでも行こうと思い立ち,家族を残し,階下の施設に行った。台風のためサウナへの通路には屋外にあったベンチやテーブルが雑然と積み上げてあり,営業していることが見た目に分からないせいか,入浴客は私一人だった。台風だというのに窓は開けてあり,風の音が浴室に反響して寂しさを倍加させていた。
 サウナ室でひとしきり汗を流し,洗い場で髪を洗っていると,目の端に別の客が体を洗っているのが見えた。「おや?」と思いシャワーで泡を洗い流し,あらためて横を見てみたが無論誰もいない。
 気のせいかと思い体を洗っていると今度は鏡越しに,湯船の端に腰をかけた若い男が見えた。しかし振り向くと誰もいない。そんなことが4〜5回も続いただろうか。気のせいと自分の気持サウナ室ちをごまかすこともそろそろ限界になり,あがろうと腰を上げる頃に,ようやく別の客ががらりと浴室の扉を開けて入ってきた。
 そいつを一人残して立ち去るのは少し気の毒な気もしたが,変なものがいるよとも言えず,結局あがってきてしまった。


 激戦地だった沖縄の土地,嵐,窓が開いた人気のない風呂…。考えてみれば,怪異を目撃する条件は揃っている。あの客も目撃しただろうか…。(※写真は現場ですが、人影は合成です)


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