悪夢

 夢というのは、通常見ても起きるとすぐ忘れるものですが、中にはいつまでも覚えているものもあります。ものすごくロマンチックな夢や、楽しい夢も多いのですが、怖い夢も結構覚えてたりします。
 この夢は小さい時何度も見て怖かった夢です。何が怖いのかはうまく説明できないのですが、とにかく見ている時は怖くて怖くて仕方ありませんでした。そして何度も同じ夢を見るのです。
 その夢の内容はいつも全く同じだったのですが、ある日、同じ夢なのですが少しだけいつもと違い、後半というか、いつも見ている続きまで見ることがありました。そしてそれ以来、ぱったりその夢を見なくなりました。
 ここでお話しするようなものではないような気もしますが、「夢判断」をされるような、精神分析に長けた方に、お話ししてみたいとずっと思ってる夢です。


 舞台はいつも夜。真っ暗なあぜ道を独りで歩いている。そしてその道の左手、田畑の100mほど向こうの土手の上に、卵形をした直径5〜6mほどの巨大な物体があって、蛍光色にぼーっと光っているのだ。
 私はなぜだか分からないのだが、その物体が怖くて怖くて仕方ない。でもそれから目が離せないでいるのだ。

 それだけの夢なのだが、最後に見たその夢は少し様子が違ってた。
 いつもは独りで歩いているのだが、その日は父や母、姉と、つまり家族全員で歩いている。そして、いつものようにあの物体が見えだす。私は一生懸命、怖かったのはあれなんだと家族に説明を始めた。

 すると、その物体が、真ん中でぱかっと、卵が二つに割れるように割れ、中から人の形をした細長い影が5〜6体、「ゆらり」と現れた。
 私の恐怖感はピークに達し、きゃーきゃーと泣きわめいた。

「うるさいなぁ。女の子みたいにきゃぁきゃぁ騒ぐな!」
と、突然私を叱る人がいる。ふと気がつくと、私たちのいる土手には近所の人たちがたくさん座っていて、どうやらあの物体を見物しているようなのだ。そしてその中のよく知っているお兄ちゃんが、私があんまりわめくので、こちらをにらみつけて私を叱っているのだった。

  夢はそれで終わり。それ以来、その夢は、全く見なくなった。


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