テレパシー体験 その3

 これも新婚時代の話。
 妻と枕を並べて寝ていたある夜。まだ、眠りと覚醒の狭間をさまよっているときのことです。突然私の目の前に見たことのない風景が広がりました。
 夕暮れ刻。私は一人で、ただただ広いススキの野原をうつむき加減でとぼとぼと歩いています。足元は舗装されていない地道。
 すっと目が覚めました。そして私には妙な確信がありました。
「今見た風景は、こいつ(妻)が今見ている夢に違いない。」
 そのことを確かめたくて、眠っている妻には悪いと思いながらも揺り起こしました。
「今、夢、見てた?」
妻は怪訝そうな顔でこう答えました。
「なに?夢?うん。見てた。」
「その夢は、こんな風景やった?」
と、私はさっき見た景色を話しました。
「うん。そうやった。」
 不思議だったのは妻がさして驚かなかったことです・・・。

 現実的な解答としては、眠さのあまり妻が適当に話を合わせただけと言うことなのでしょうが…。後日何度か確かめてみましたが嘘は言っていないと妻は答えるばかりです。


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