テレパシー体験 その5

 その頃私はチャットにはまっていました。そして、ある女性と親しくさせていただいていました。その人は関東のある県に住んでおられる方でした。見知らぬ人と言うだけで妙に刺激的で会話は楽しく、深夜から明け方にまで及ぶこともありました。
 夜がそんなに深いと、まわりの雑音も消え、画面の文字を追って気持ちは集中度が高まり、完全に2人きりでいるような錯覚に陥ることがあります。
 そんな時、チャネリング(意識波の同期。ある状況下では意識が同期しやすくなるという説、またはその手法。)が話題となり、実験してみようと言うことになりました。今着ている服装を当てると言う試みです。
 しばし目をつぶり彼女の姿を思い浮かべる努力をします。彼女には私に思念として服装を送る努力をしてもらいます。
 浮かんできたのはまずTシャツでした。あたり。季節は夏でしたからこれは当たり前。
 しばらくすると、もう少し具体的なイメージが湧いてきました。白地に大きな柄の何かキャラクターのプリント。これには少し彼女は驚いてる様子でした。
 大人の方でしたので、日常、あまりキャラクター柄を着ることはなく、珍しくたまたまその日着ていたんだと、少しあわてた様子で文字を送信してきました。でもこのあたりまではまだ2人とも偶然偶然と笑っていました。
 そしてスカート。私のイメージは今度は映像ではなく肌触りでした。柔らかい織りの木綿の感触。デニムのようなものではなくテトロンが混ざったようなさらっとした感触でした。そして長さは長め。向こうずねが半分隠れるぐらいの物。
 ここまで来ると流石に彼女は少し気味悪くなっているようでした。あまりに的中率が高いからです。また、当たってると言うことを知った私はますます感覚がとぎすまされていくような気分になっていきました。
 今思えば、偶然も含めた「的中」という結果により、2人とも自己暗示が強まっていったのでしょう。また、お互いに会ったこともない人なので、かえって自由にイメージを持つことが出来たのが幸いしたのかもしれません。
 今度は交代してやってみようと言うことに。服は今私があれこれしゃべったのでイメージが固まりやすいと思い、私の目の前にあるたばこを当ててみようと言うことにしました。
 しばらく彼女は考えていましたが、
「だめ。わかんない。赤い色と白いイメージが混ざって出てくる。」
 今度は私が驚く番でした。
 実は私はその時、いたずら半分に、たまたま手元にあったセブンスターとラーク(赤ラーク)を置いていました。まさに私の目の前にあるのは白いパッケージと赤いパッケージなのです。

 まわりに障害となる物が極端に少なくなり、純粋な意思の疎通に近くなる深夜のチャット。案外、意識は易々と距離を超えてしまうのかもしれません。


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