テレパシー体験 その7

 久しぶりにテレパシー夢を体験した。
 以前からここで書いているとおり、私のテレパシー体験はほとんど浅い睡眠時に起こる。今回もそうだった。
 休日の朝、家族はみんな起きていたが、私はまだ布団の中でまどろんでいて、夢を見ていた。
 奇妙な夢だった。
 職場の健康推進事業の一環で、(どうやら私が推進委員になっているらしいのだが・・・)予防接種を自分でうつことになっていて、私は細い注射器を持っている。薬瓶から薬液を注射器に吸い取り、針を上に向けて注射器の中の空気を押しだし、躊躇しながら二の腕に突き立てる ・・・・・・
 その辺りで、意識は覚醒に向かい、私は夢であったことにほっとしていた。
 その時、階下から2階へ上がってくる妻の足音が聞こえた。
 寝室に入ってきた妻は、私の枕元に寝ていた猫を抱き上げ
「お薬ですよ〜〜。」
と猫なで声を出した。
 その猫は老猫で、胃腸の具合があまり良くない。動物病院で処方してもらっている水薬を毎日与えるのは妻の役目になっている。水薬とは言っても無論人間のようにコップで飲めるはずもないので、針の付いていない注射器で喉の奥に注入するのだ。
 その薬を与え始めてもう一年以上になるが、寝室で与える姿は見るのは初めてだった。その日は猫がなかなか階下のリビングに下りてこないので、しびれを切らした妻が注射器を持ってきたと言うことらしい。
 冷蔵庫で保管している薬なので、普段は注射器に入れてすぐに投与はせず、そのまま数分放置して常温に戻してから投与している。しかし、後で確認したところ、その日は準備するのを忘れていて薬瓶から薬を注射器に吸い取ってすぐに2階に上がってきたらしい。
 つまり私が夢の中で注射器に薬を吸い取り、空気を抜く作業をしていた時間と、妻が実際に階下で注射器の準備をしてた時間は、ほぼ一致するようなのだ。
 私の家はそんなに大きな家ではないが、階下で妻が注射器を触ったり冷蔵庫を開けたりするときの音が聞こえてくるほど小さな家でもない。だからこの奇妙な一致は、おそらく妻の思考が私の夢に侵入したから起こったのだろうと考えているのだが・・・・。


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