私の姉は、学生の時、大学に通うため兵庫の実家を出て、京都の某女子大の寮に入っていました。
　ある日姉から、興奮した口調で兵庫の実家にいた私に、電話がかかってきました。
「しげちゃん（姉は私のことをこう呼びます）、しげちゃん！外！外、見てみ！UFO！UFOが飛んでるで！」
「はぁ？」
「せやから、UFO！ユーフォー！ユー・エフ・オー！」
「何言うてんのや？」
「もー！空飛ぶ円盤が編隊で飛んでるんやて！こっちはもうみんな大騒ぎや。　ええから外見てみ！」
「お姉ちゃん、どこからかけてるんや？この電話。」
「どこて、大学の寮に決まってるやん。」
「あんなぁ。京都とここまで何キロあると思てんのや？京都で見えたかて、こっから見えるわけあらへんがな。それとも、星ぐらい遠いんか？」
「いや、そうやない。すぐそこの空飛んでる。でも、しげチャンにおしえたげよ思て・・・。あんた、ＵＦＯとか好きやん。」
「おおきに。俺も見たいけどな。残念ながら無理やわ。」
「そうやな・・・・。ははは。おねえちゃん、ちょっとあわてたわ。ほな切るわ。」
　せっかくの姉の気持ちでしたが、

１４０ｋｍ離れてたら、

やっぱり無理です。　　

　でも、私も見たかったなぁ・・・。

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