S.hige
Kako
S.hige
Kako
S.hige
Kako
S.hige
Kako
S.hige
Kako
S.hige
Kako
S.hige
Kako
S.hige
|
「こんにちは〜」
「あ、こんにちは。どうしたんですか?急に。」
「今日はちょっと見て欲しいものがあるんですよ。
これなんですがね・・・・」
「何ですか?これ。」
「以前、掲示板にあげてた写真なんですよ。旅行で訪れた静岡の鍾乳洞の写真です。」
「ふ〜ん。なんだか、凄いですね。」
「これには、妙なものは写ってないんですが・・・。
でね、見て欲しいのはこっちの写真なんです。
なんだか妙な白いベールのようなものが写ってしまって・・・。
どうです?なんか感じますか?」
「・・・・・・・・・。
ごめんなさい、はっきりとしたものは感じ取れません。
ただ、泣きたくなるくらいに切ない気持ちだけは感じますね。
ここがどこだかがわかりませんが、地下深くであるならば、たまたまそういう悲しい思念がたまるところなのだと思います。
こんなことしか、言えなくて・・・・・。」
「ふーむ。地下にはそんな場所があるんですね。
人の思いは地面にしみこみ、水が溜まるように溜まっていくのですか。不思議なものですね。」
「 なんと言いますか、人の想いが地面にしみこむというよりは、人のマイナスの思いはただ下に行く、という法則があるような感じです。
『気分が落ち込む』とか、『下を向いて歩く』といったように、人はマイナスの気持ちを持つと『下』へ行ってしまうようなんですよね。
ただ、その沈んだ気持ちが溜まりやすいか、溜まりにくいかだけの問題だと思います。
入れ物にも、ざるのように水を貯められないものと、おわんのようにしっかりと水を貯められるものがありますからね。
それと同じような感じだと思います。
ただ、それはただ単に、私がそう感じただけであって、実際にもっと力のある方がこの写真を見たら、もっとしっかりとした思念や、ちゃんとした何かを読み取れるのかも知れません。
力及ばず、といったところでしょうか。あまりお役に立てずに申し訳ないです。」
「いえいえ、とんでもない。突然変な写真持ち込んで、妙な鑑定をお願いして、こちらこそ済みません。丁寧な説明どうもありがとうございました・・・・。
ちょっと待って下さい。『泣きたくなるくらい、切ない気持ち・・・』確かそう、おっしゃいましたよね?」
「ええ。それが?どうかしましたか?」
「この場所・・・ここがどういうところであったのか今思い出しました!
ここは、鍾乳洞の中にあった石筍で、確か、その形が仏像・・・そう、慈母観音のようだというのでたくさんの人が、お参りをしていました!硬貨が写っているのは、お賽銭です。
観音像はこの石筍そのものではなかったかも知れません。何分、少し前の写真で、記憶もあやふやです。でも、確かに洞窟内に慈母観音像はありました!
いろんな思いでお参りをする人、いるでしょうね。特に慈母観音には、子を亡くした母親たちも多く手を合わせたと思うんですよ!!
Kakoさんの言う、『泣きたくなるくらい切ない気持ち。』の意味、今ようやく分かりました!!母親の、身を切られるような切ない気持ちなんですよ。きっと!」
「そうだったんですか・・・・・。
良かったです、どんなところかがわかって(^^*
悲しい思いをした方々の、今後の幸せをお祈りしましょう。」
「そうですね・・・。私も親です。なんだか切なくなってきました。」
しばし黙祷を捧ぐ・・・
|